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「冗談ばっかり」
ようやく笑顔を見せた凪は
僕が再び身を投げたソファの足元に座った。
「で、どうだった?僕の記事は――」
テーブルの上の週刊誌を手に取り
己の書いた記事を開くと不安げに問う。
「そうだねえ――だいぶあなたの主観が入っているけど最高だよ」
「……僕の主観?」
「そ、例えばここ」
「読んで」
「巧妙に人を惑わす天宮家の三男だが――素顔は繊細で壊れやすい少年のようだ」
爪先が触れる程度
悪戯に足を動かしてやると。
「あなた僕の素顔を知ってるの?」
凪は落ちつかなさげに
あからさまもぞもぞした。
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