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episode180 窓辺
気づけば
裸足のまま外に飛び出していた。
「和樹、待てって……!」
後から僕を追って
門の外まで出て来た椎名さんが
「もういないよ。車ですれ違ったんだ」
茫然と路上に立ち尽くす僕を見て
目を丸くする。
「どんな様子だった?」
「どんなって……彼の愛車のベントレー。運転席に座っていつもと変わらない風だった」
いつもと変わらない
だって――?
「そんなはずないさ!」
僕はあからさま動揺した。
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