想愛

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小さな小さな君の手を掴み 初めて君を抱き締めた夜 戸惑うことばかりの私は 泣いている君の気持ちも 泣き止ませ方もまだ知らず だけどただ、私の温もりで 君を温めてあげたかったの トコトコ歩く君の手を掴み 君の歩幅に合わせて歩く道 君は小さな発見に瞳を輝かせ 立ち止まって嬉しそうに 私の顔を見て笑っていたね 寄り道ばかりだったけれどあの時は 君の笑顔を見るだけで幸せだったの だけどね...... 深い深い愛情に自信がなくなれば 深い深い不安に飲み込まれていき ふとした瞬間に考えてしまうの どうしたら君を幸せに出来るの? 君と離れれば 君を殺めればって 全く考えたことないなんて嘘で だけど私は誰よりも君が大切で “僕がいなくなったら 他の子と仲良くしてね” “僕が消えてもずっと見てる ずっとそばにいるからね” いつか訪れる永遠の別れを知ってか知らずか 君は私にそっと時々そう呟く そんなこと言われても嬉しくないよ 他の子じゃ駄目なんだ 君でなければ意味がないんだ 嫌になってしまうこともあるけれど 本当は誰よりも君が大切な私と 本当は誰よりも私が大切な君と 頑丈な絆の鎖はそう簡単には切れなくて 君が私のことを大好きなのは知ってるよ だから君は私のことを想っていうの “ママ死なないでね ずっと一緒にいようね” 嬉しいけれど私はまだ死ぬつもりはなく 出来る限り君と一緒にいて見守っていたい 君にとっては私と一緒にいられることが 今はまだ一番の幸せなんだね 叶わない願いだけど ずっと君と一緒にいられたら どんなに幸せだろうね......image=498249074.jpg
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