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この物語は、科学技術の進歩によって身体から霊体だけを自由に取り出すことが可能になった時代に生きる、ある貧乏少女の日常である。
「最悪だ……、この世の終わりだ……」
鏡に映った自分の姿を何度も何度も見返して、私は頭を抱え込んだ。
私の身体は今、年季の入った家政婦ロボットなのである。使い古した跡で塗装が所々剥げているし、身体中は傷だらけだ。頭部につけたリボンのおかげで、どうにか女性だろうかと推し量ることができるような風体である。
なぜ私がこんな姿になってしまったのかって?
それを話せば長い話に……したくはないので、早い話が借金の形に生身の身体を取られてしまったわけである。
つまり私は寝食もせず、がむしゃらに働いてお金を返しなさいモードなのだ。
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