第一章

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詩人になることはとっても簡単だと思う。一滴の泪を大海原と表現するちっぽけな勇気と、絶望を砂糖の代わりに溶かしたカフェオレを飲んだ経験、これだけであたしは詩人さんを名乗ってしまうような作品群を書いている。 本当のところ、あたしは詩人さんなんかになれないんだろうけど、でもどこになにを書いても“詩”っていう文字がついて来る。詩的ですね、詩的ですね、詩的ですね。 詩的ですね。 詩的ですね。 詩的ですね。 詩がなんなのか知らないままあたしは詩人さんの名前をもらって困惑している。そんな困惑すら詩に似た文字列に仕上げてしまうんだから手に負えない。 詩人になることはとっても簡単だけど詩人であり続けることは本当に本当に難しい。一滴の泪を大海原に例えたら次はなんて例えよう?致死量の毒?えいえんを綴るインク?ありきたりにしか聞こえないけど、それを今度はみんな個性的と呼ぶんだ。 絶望を砂糖代わりにすることに慣れすぎて絶望の甘さを感じられなくなっている。詩人失格。土俵に上がってすらいないのにあたしは土俵から追い出される。 2016/02/10 07:11:54

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