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「うまそうだ。ちょうど喉が渇いていた」
テルが軍用義手でグラスをとり、ひと息でマンゴーのカクテルを飲み干した。
「おっと、力加減を間違えた」
ガラスの割れる音が鳴った。テルは五王龍起を見つめながら、一瞬で手のなかのグラスを粉々に砕いた。逆島家再興を図る暁島会(ぎょうとうかい)と五東連合は犬猿の仲だ。
タツオキは余裕で笑っていった。
「その軍用義手はうちの製品だ。今度、研究所の者に谷くんの義手を調整させよう。つかい心地が格段によくなるよ」
どうやら筋肉自慢のテルよりはタツオキのほうが一枚上手(うわて)のようだ。タツオはいった。
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