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「・・・・・・・・・・・・はぁ」
恋人を作らないとセミナー参加拒否。
だから交際相手が必要。
溺れる者は藁をも掴む。
(・・・って事は私は藁レベルの女?)
「お待たせしましたー、熱々石焼ビビンバでーす」
(・・・・・・ハイキタ、いつものパターンッ!!)
テーブルに突っ伏そうとしたが、実行すると熱々石焼ビビンバに顔ごと突っ込む事に気づいた巴は、背後の壁にガクンと寄りかかった。
女子扱いされた事なんてない。
"王子と付き合うなんてナイナイ。だって俺よりモテるんだぜ"
可愛いなんてキャラじゃない。
"桜庭さんの事は友達としか思えない"
ついでにあんまり胸もない。
次々脳裏に浮かぶ黒歴史に怒る気力すら奪われる。
「・・・桜庭さん?」
こんな自分に、少女マンガばりのロマンスが訪れる訳などやっぱりないのだ。
何故ならマンガは夢物語。
─でもってこれが現実。
「どうやら俺は君を失望させたらしいな」
「いえ・・・とりあえず彼女が必要な理由はわかったけど納得はしたくないというかなんというか・・・ハハッ」
巴は力なく笑い、気力を振りしぼって元の体勢に戻った。
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