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「うわっ!」
つられて体勢を崩した慎一郎の顔から、一瞬にして血の気が引いていく。
(・・・・・・えっ!?)
「あの、大丈夫です・・・か・・・」
慎一郎は片手で口もとを覆い、顔を伏せてしまった。
(・・・・・・えええっ!?)
「えーと、大丈夫じゃないですよね」
慎一郎は無言でぶんぶんと首を縦に振る。
もはや答える余裕もないらしい。
(・・・・・・えええええっ!!)
先ほどまでの甘いムードが一転、何故どうしてこうなったのか。
あまりの落差に巴は思わず叫ぶ。
「ああっ・・・あと5分ちょい、あと5分ちょい耐えて下さい!お願いだからああああっ!!」
─傷つく事を恐れながら、はじめの一歩を踏み出して、やっと出会えた王子様。
女心に疎くても、多少中身が残念でもいい。
そのままのあなたが大好きです。
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