1.お試し期間の始まりは、

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本当に特別な意味があったのか、半信半疑のまま年明けを迎えた。 「明日、明治神宮に初詣に行かないか?」 1月6日、たまたま翌日の休みが一緒だと思っていたら、帰り際外の空カゴ車置き場で副店長に誘われた。 一緒に明治神宮で遅めの初詣をして、おみくじをひいて、恵比寿に移動して、雰囲気のいい飲み屋で夕食を食べることになった。 内心「実はずっと君が好きだった」みたいな少女マンガテンプレ展開の到来を期待していたのに、まさかのお試し期間発言が来ようとは。 (ねえ、これ期待した私が悪いの?当然期待するよねぇっ!) ─誰でもいいから同意して欲しい。 「・・・・・・なんで私なんですか?」 急に低音ボイスで話し出した巴を見て、副店長は怪訝な表情を浮かべる。 「何か怒らせるような事を言っただろうか?」 「別に怒ってません!何とも思っていないのに交際申し込める神経が信じられないだけです」 いらぬ期待をさせられた上、長年の憧れをぶち壊しにされたのだ。 怒るまではいかないが、ムカムカくらいするに決まっている。 「・・・やっぱり怒っているじゃないか」 「だから怒ってません!特に好きでもないのに交際申し込まれた理由が知りたいだけです」 そのくらいの権利は行使させてもらいたい、と巴は思う。
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