4.気づくな危険!乙女の恋心

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水中トンネルの上を、悠々と泳ぐマンタやエイ。 軽食を食べながら見るイルカショー。 可愛いペンギンやアシカたち。 「これ可愛い!フカフカ~」 「欲しいなら買おうか?ほら、ホワイトデーに気の利いたものあげられなかっただろ。その代わりに」 「じゃあ、お言葉に甘えて。お願いします!」 慎一郎が買ってくれたアザラシのぬいぐるみ。 たくさん笑って、楽しくて楽しくて。 ─この時巴は、完全に浮かれていた。 あとで手痛いしっぺ返しをくらうなんて夢にも思わずに。 二人はアクアパークを満喫した後、駅前の有名なコーヒーショップに入った。 時間はまだ15時だが、明日は仕事。 ここ最近ハードスケジュールだった慎一郎の体調を考慮して、今日は早めに解散する予定にしていた。 「今年は販売士3級の通信講座申し込んだんです。もしわからない事が出てきたら聞いてもいいですか?」 「もちろんだ。わかる範囲内の事ならいつでも答えるから」 「ありがとうございます!」 慎一郎は今日のおすすめコーヒー、巴は抹茶ラテを片手に、テーブルをはさんで言葉を交わす。 「そういえば、セミナーの初回どうでした?」 巴の問いに、慎一郎は苦笑いしながら答える。 「同期の顔を見つけるまで緊張でガチガチだったな」 「同期の方って?」 「ああ、駅前店の副店長をしている三上さんって女性だよ」 (・・・・・・はい!?)
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