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「陛下、お見事です。」
まるでこうなることを予期していたかのようにジェイムズがレオンに讃辞を送る。
「うむ。皆の援護あってこそだ。お前こそ見事な剣筋であったぞ。」
それを受けたレオンが返すかのようにジェイムズに激励の言葉をかけた。
「もったいないお言葉です。」
そこへベアが割って入る。
「ガハハ!そう堅くなるなよ。ジェイムズ!なかなかのもんだぜお前は。」
ベアは丸太のような腕でジェイムズの背中をバシバシ叩きながら笑い飛ばしている。
「ぐはっ!貴様…ベア…っ!やめろっ!馬鹿力で叩くな…ぐあっ!」
大男にあまりの力で叩かれたジェイムズは、吹き飛ばされんばかりになりながらベアを振り払っている。
「二人共!遊んでないのっ!陛下のお供をしておいて情けない!私まで恥ずかしいじゃない。」
ベアとジェイムズがふざけているのを見かねて、テレーズが叱喝する。
ジェイムズは悪くないのに怒られた形だ。
「はっはっは!皆、仲良くて私は嬉しいぞ。」
それを見ていたレオンは満面の笑みだ。
「ちっ…違います!陛下!私は…!」
テレーズが弁明しようとするが、レオンはニコニコしながら「ん?」という表情でおどけている。
ここで下手な弁明をしても仕方ないと悟ったテレーズは、言葉を収め、ベアとジェイムズを睨みつけた。
「おー怖い。なあジェイムズ」
「うるさい。お前は少し黙っていろ。」
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