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アバロンに戻ったレオン一行は、宮殿に戻るため、城下町の大通りをまっすぐ歩いていた。
当然、多くの人の目に付く。
「ご苦労様です!レオン様、ジェラール様!」
入り口を守る衛兵は大きな声と、規律正しい敬礼で一行を迎えた。
「レオン様だ!」
「お帰りなさい、レオン様。」
「わーい、れおんさまー」
街ですれ違う人々の目線がレオンに集まり、彼の帰りを喜んでいた。
レオンはにこやかに笑い、手を振って、その声に答える。
家臣に絶対の信頼を受け、民に愛されるその姿こそ、レオンの真に誇るべき、皇帝の資質であり器。
そして何より、彼らこそがレオンの一番の力なのだ。
「父上、お帰りなさいませ。」
玉座の間にてレオンを迎えたのは、彼の第一子であり、ジェラールの兄、ヴィクトールだった。
レオンの外出中、皇帝代理として玉座に座り、アバロンを守っているのだ。
レオンが帰還し、玉座の間に入ると、ヴィクトールは父に玉座を返すべく立ち上がり、レオンがそこへ座した。
「ジェラール、ケガはないか?」
自分や父のような武勇を持たない弟を心配して、ヴィクトールはジェラールを気遣う。
「大丈夫だよ。兄さん。父上の足手まといにならないようにするのがやっとだけどね。」
ジェラールはヴィクトールの気遣いに感謝しつつ、自分はまだまだだと兄に話した。
「弟は戦いよりも学問の方に才能があるようです。無理に戦闘に連れて行かずともよいではありませんか。戦いは私の務めです。」
ヴィクトールはレオンに言及するも、レオンの考えは歪まない。
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