8人が本棚に入れています
本棚に追加
玉座の奥から階段を下りた、宮殿内の1階。
そこは多くの兵士達が常駐する、詰め所となっている。
もし宮殿内に不法な侵入者があれば、彼らによってたちまち捕らえられ、吊し上げられてしまうだろう。
レオンが信頼する家臣達、彼らの実力も忠誠心も折り紙付きだ。
「ジェラール様、ご機嫌麗しゅう。」
屈強な兵士が多く集まる中、そうでない者ももちろんいる。
「ジェラール様、術は使っておいでですか?使わねば成長しませんよ。」
彼女は宮廷魔術師のエメラルド。
主に宮廷内における魔術的な事柄を担っており、その研究や技術向上に励んでいる。もちろん術による戦闘も可能だ。
「エメラルド、あいにく術は学んでいないんだ。」
「では、私がファイアーボールを教えましょう。」
ファイアーボールは、彼女の得意とする火術の中でも最も基本的な術で、文字通り、火の玉を飛ばすだけの簡単なものだ。
しかし、武器も満足に扱えない自分が、レオンの役に立つ戦闘を行うなら、術による支援が効果的かとジェラールは考えた。
エメラルドから簡単な手ほどきを受け、ジェラールはファイアーボールを習得。
自分の必殺技を身につけたような気持ちで、少し嬉しい気持ちだ。
最初のコメントを投稿しよう!