8人が本棚に入れています
本棚に追加
ヘクターに絡まれ、アンドロマケーに叱られ、少々気が滅入ったジェラールは、アバロン市街地を散歩していた。
いつも小さな男の子と女の子が遊んでいて、子供が好きなジェラールは、彼らを見かけると、一緒に遊んでいるのだ。
「ジェラールさま~たまには戦争のお話もしてよ~。動物とかのお話ばっかりじゃあ、つまんないよ。」
「あはは。そういう話は得意じゃないんだ。」
男の子はつまらなそうにするが、心優しいジェラールは、争い事の話は好きではないのだ。
「ジェラール様。ネコ元気になったよ。アリガトウ。」
女の子は、ジェラールを見つけると、ネコを大切そうに抱えながら、寄ってきた。
「それは良かった。大事にしてあげるんだよ。」
「うん!」
そろそろオアイーブの話も終わっただろうか。
子供とたわむれて少し気分の晴れたジェラールは、宮殿に足を向けた。
「ふー。もう少し頑張らないとな。」
なかなか全てが思うほど、うまくはいかないものだ。
最初のコメントを投稿しよう!