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「ジェラール様、どうぞお通りください。」
どうやらレオンとオアイーブの話は終わったようだ。
玉座の間に入ると、そこにはすでに、レオンとヴィクトールが待っていた。
「父上、先ほどの女、何の話でしたか?」
「ソーモンのクジンシーが危険な奴だと注意しに来たのだ。しかし、クジンシーも七英雄の一人。気を許してはいないが、そうムチャな事をする奴でもあるまい。」
アバロン近郊にあるソーモンという小さな町に、帰って来た七英雄の一人を名乗る、クジンシーが拠点を構えている。
今の所、クジンシーも表立って動いてはおらず、伝説の七英雄の一人ということもあり、火急の案件ではないとレオンは判断した。
「父上、次はどこへ?」
「東だ。ウォッチマンを討伐するぞ。」
アバロンの東に、またも付近を脅かすモンスターの巣がある。
それだけでなく、クジンシーのいるソーモンへの安全な道を確保するためにも、その進路上にあるウォッチマンの巣を叩いておきたい所だ。
「ヴィクトール。後を頼むぞ。」
「はい。父上。」
いつものように、レオンはヴィクトールに留守を任せて、ジェラールを連れて討伐に出かける。
「ジェラール、頑張れよ。」
本当にいつも通りだった。
モンスターを討伐してアバロンに戻れば、玉座にヴィクトールがいて、また温かく迎えてくれる。
そう…思っていた。
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