第1章 始まりの詩

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そして、男は口を開く。 かつての伝説が、吟遊詩人の語りと共に蘇る。 奏でられる竪琴の音色にのせて、彼は語る。 ここに始まるは、はるかなる戦いの詩。偉大な帝国と、うるわしきアバロンの詩。 そして、歴代の皇帝と、その仲間達の詩。 この詩をうたい終えられるよう、精霊よ、我に力を与えよ! 今は昔、皇帝レオンの時、帝国はアバロンの小さな国に成り下がっていた。 大陸は麻のように乱れ、争いは絶えなかった。 レオンは統一の志を立て、日々戦いに明け暮れていた。 彼には二人の息子があった。 雄々しきヴィクトールと、優しきジェラール。 その日、レオンはジェラールを連れ、モンスターの討伐に出た…
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