英雄賛歌･浪漫譚 １

第2章 賢帝ﾚｵﾝ

先程ﾚｵﾝから説明があった陣形、ｲﾝﾍﾟﾘｱﾙｸﾛｽは上から見ると文字通り、全員が十字に並ぶ陣形で、先頭のﾍﾞｱが敵の攻撃を一手に引き受ける。

中心のﾚｵﾝがその後ろから攻撃を仕掛け、両サイドからｼﾞｪｲﾑｽﾞが大剣による、ﾃﾚｰｽﾞが弓による援護を担当している。

ｼﾞｪﾗｰﾙはそのさらに後ろから彼らの戦いを見学だ。

流石は皇帝とその精鋭兵。

ﾍﾞｱは重厚な鎧を着込んだ大男。鎧の重さだけでも相当のはずだが、平気な顔をして剣でﾓﾝｽﾀｰを弾き飛ばし、さらに盾で攻撃をいなしている。

｢ｶﾞﾊﾊ！ﾓﾝｽﾀｰ共！この皇帝の盾たるﾍﾞｱがいるかぎり、陛下には指一本触れさせんぞ！｣

ﾍﾞｱは帝国の重装歩兵。有事の際には最前線で戦う屈強な戦士だ。
恵まれた体力を持つﾀﾌな彼にはぴったりな役まわりと言った所だろう。