オンナゴコロトアキノソラ

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だったら私も彼の事を想うのなら、いちいち目くじらを立てる器の小さな女でいちゃいけない。 奏さんが仕事で疲れた時に家に帰って来た時に、身も心も休まる……そんな空間を作ってあげなくちゃ。 「よし、今日は早く帰ってお掃除頑張ろう!あっ、部屋に邪魔にならない程度の観葉植物でも買って帰ろうかな。あの部屋、緑が足りないよね」 サロンの近くに小さなお花屋さんがあったはず。 今日はそこに寄って観葉植物を購入してからマンションに帰ろう。 そう予定を組むと、私は午後からのご予約のお客様の施術にいっそう励むことが出来た。 _____そして、その帰り道の事だった。 早くマンションに帰りたくて急ぎ足でお花屋さんに駆け込み、買い物を終えた私。 焦る足と意識は周りの音を遮断していて、迫って来る車のタイヤの音とクラクションにさえ気づかなかったんだ。 そして気付いた時には、私の身体は大きな衝撃を受けた後だった……
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