危ない彼は私の片想いの人

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確かにこの仕事は楽しいし、やり甲斐も充分あり、自分に天職だと思っている。 それでも、そんな私でも時には癒されたい時もある。 こうして自分がヒーリングの音楽が流れ、自然とため息を吐いてしまう様な空間で習った通りの施術を繰り返し、お客様のコリをほぐせばほぐす分、私の疲労もそれ同様蓄積されていく。 好きな仕事でも辛い時は辛い。 そんな時私は、唯一の癒しの空間へと真っ直ぐに足を向ける。 「百合ちゃん、今日もあのバーに行くの?」 今日のご予約のお客様の施術を全て終え、閉店準備の掃き掃除をしていたら先輩スタッフの神崎先輩に声をかけられた。 神崎先輩は1つ上なだけなのに、もうシフトリーダーも任されていてお客様のご指名率もトップである人気スタッフ。 小顔だからこそ似合うベリーショートで顔のパーツも文句なし。 古風な顔立ちの私は女性としても、とても憧れていた。
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