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ダレカナカレダ
――ねえ、思い出したよ。
君の本当の名前。
ダレカナカレダ
朝、目が覚めたら、窓の外が大洪水だった。
水位は既にビルの屋上にまで届いていて、窓の外はまるでアクアリウムのよう。
逃げなくちゃ。あせって窓を開けた。
当然ながら水が入ってきて、あっという間に水と空気が選手交代。
ぼくの隣を大きなマグロが通り過ぎた。
「これからは人間と選手交代して、魚がこの世を支配しますので。よろしく」
なんて面白くない冗談だろう。水の中をふわふわと浮きながら、ぼくは呟いた。
「ああ、最悪だ……この世の終わりだ……」
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