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「おまえ、いい加減にしろよ」
「ああ??」
「地味に格好悪いんだって」
「……っ」
「女の子を騙して金、搾り取ってんの?? やってること、しょぼくない?」
「うるせーよ。あいつらが勝手に……」
「うわ、最低だな」
「……っ、言っとくけどな、俺から紗耶香を口説いたわけじゃないからな。あいつの方から誘ってきたんだ」
「はいはい」
「恭は淡白でつまんないんだってさ。おまえ、経験が足りないんじゃ……」
その刹那、――
手にした箒を握りしめ、舞ちゃんは猛然と深瀬に向かって突き進む。
「最っ低っっっっ!!」
深瀬目がけて思いっきりそれを振りかざすと、手先に向かって振り下ろした。
「いってーっ!!」
その瞬間、――
くるりと宙に舞う、黒い携帯。
それはちりんと小気味よい音を響かせたかと思うと、勢いよくアスファルトの上に落下した。
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