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「五、四、三、ニ、……切り替え!」
女の手が上から下へ振り下ろされた。マイクを通して伝わる一瞬の空白、しかし目前に見えていた画面からは砂嵐だけがうじゃうじゃと溢れていた。
同時刻、周囲に微振動が伝わった。その原因すらわからない四人は、しきりに周囲を回し見た。ぴりぴりと音を立てる金属製のテーブルを手で押さえた男が、「地震か」と小さく呟いた。
「いぃや、って。マジこれ!?」
また別の声が響いた。
画面に釘付けになった男の視線は、ずらりと並べられた中にある、たった一つの映像を捉え続けていた。
カウントダウンをしていた女は、酷く慌てた様子で立ち上がると、そのまま楽屋口の玄関を飛び出し、靴も履かず走り始めた。中に残された三人は、呆気にとられ、その背中を見つめていた。
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