嘘もほどほどに

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   「はぁ……。壮平、帰るぞ」 色々と落ち着かせた所で、壮平に声をかける。 「え? もう帰るんですか? 早いですよ」 「なんか、今日は疲れた……全部、お前の所為だけど」 本当はもう少し桜を堪能したかったけど、さっきのでそんな気分じゃなくなったしな。 「……すいません。でも、今日千夏さんが言ってくれた本心、俺はちゃんと聞きましたからね」 「だーかーら、あれは……エイプリルフールの嘘だって、言っただろ?」 「じゃあ……俺だけには毎日、エイプリルフール気分で千夏さんの本音を、お願いします!」 「ばーか。本音って言ってる時点で、嘘じゃねぇじゃん。それに、毎日オレに嘘つかれて、壮平はいい気しねぇだろ」 「大丈夫です。千夏さんが嘘ついても、俺の脳内は本音で変換しますから。それに、あんな嬉しい嘘だったら……俺は毎日幸せです」 言いながら、嬉しそうに微笑む壮平を見て、こいつ……重症だなって思った。 でも……そんな顔をされたら、毎日エイプリルフールしてやってもいいかなって少しだけ思ったオレも、相当重症だろう。 まぁ……壮平本人には、絶対言わねぇけどな。 ≪終わり≫
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