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「壮平、食べてもいい?」
「はい。千夏さんの為に買ったんですから、食べてください」
箱を開けると、8個入りのチョコが綺麗に並んであった。
しかも、全部味も形も違う物だ。
「うわ、これは……どれから食べよっかなー」
幸せそうにウキウキしながら選んでる千夏さんを見て、俺も幸せだった。
「最初は、これにしよっと。いただきまーす」
四角い生チョコの様なチョコをつかみ、口に運んでいく。
口に入れた瞬間は、凄く美味しそうにしていたのだけど、その次の瞬間には、少しだけ眉を潜めている。
「え……千夏さん、チョコ美味しくなかったですか?」
その顔を見て、心配になった俺は、直ぐに聞く。
「ん……いや、味は美味しいんだけど……。これ、ちょっとお酒が入ってるのな」
少しだけ舌先を出し、ペロリと唇を舐めながら言われて……千夏さんの言葉よりも俺は、その魅惑な口元に意識が集中した。
「……壮平?」
暫くジッと千夏さんの口元を見ていたら、何も言葉を発さなくなった俺に不思議に思ったのか、名前を呼ばれてしまった。
「えっ、あっ……お酒入り、苦手ですか?」
「苦手っていうか……あんまり食べた事ないんだけど、これちょっと強いんじゃね?」
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