甘さの葛藤

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「ちなつ……さん?」 ビックリした。 いきなりだったという事もあるけど……。 恥ずかしがり屋な千夏さんは、俺から取ったアクションに対して受け入れはするけど、自分から積極的に行動する事がない。 だから、この行動自体に、俺は驚きを隠せない。 「ほらぁ……壮平の指、なげぇし」 そして、そして。 何だろう……手を合わせてるだけなんだけど、これが妙に恥ずかしくなる。 「千夏さん、と、とりあえず……コーヒー入れてきます」 「いーよ、別に。今、飲みたくねぇし」 「そう、ですか……」 千夏さんにそう言われて、入れに行くのをやめた。 再び手元のコタツの掛布団を整えて、ベッドの淵に背中を預けて座り直す。 その直後―― 「えっ……?」 さっき掴まれた俺の手に、千夏さんが絡めてきた。 「ち、なつ……さん?」 今日は本当に珍しいなと思いながら、隣に座る千夏さんを見る。 「んー。なぁーんか、眠くなってきた」 すると、スローペースで話す千夏さんの瞼は、もはや降りかけだった。 てか、今来たばかりで、早くないですか……?? また、昨日夜更かしでもしたんだろうか……なんて思いながら、その様子をジッと見ていた。
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