甘さの葛藤

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千夏さんが起きるまでの我慢! 今は耐えろ、耐えろ、俺。 いちゃいちゃは、起きてから、すればいいだけの話なんだ。 よしっ、これぐらい、耐えてみせますよ……! って、決心したのに。 「んっ……あー、そう、へい。みみ、真っ赤……」 耳元で、掠れた可愛い声で喋りながら、千夏さんは……。 事もあろうに、俺の耳を噛んだのだ。 「ッ……」 ――カチッ 音にすると、そんなスイッチの切り替え音が鳴ったと思う。 そりゃね、もうね……。 入るよね。 てか、千夏さんが入れちゃったよね……! 俺の本能のスイッチを……さ。 「千夏さん……」 もう――知りませんよ! そう思いながら、俺は身体を起こして千夏さんと向き合う体勢をとる。 幸いに後ろはベッドだし、このまま押し倒すのもアリだ。 俺の支えがなくなって、だらんとなってる身体を両手で支え、まず初めにキスを……と思って顔を近づけた瞬間。 ――ピーーンポーーン タイミング悪く、チャイムが鳴った。 それはまるで……入れたばかりのスイッチを、再び戻すかのように。
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