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「……呆れた」
グリーンのシャドウが光る瞼、その下の瞳がギュッと細くなり、コーラルピンクのルージュに縁取られた唇はぽかーんと開きっぱなし。
開いた口が塞がらない
麗さんはそれを全身で表現してみせた。
「そんな良い男二度と巡り会えないわよ。バカね~。那緒ちゃんってもう少しかしこい子だと思っていたのに……残念。職も家も男も失って人生ドン底ね」
グサッ、グサッ
言葉の槍が次々に心臓を貫く。
週一回の通院日。麗さんは私を慰めたり甘やかしたりしようとはしなかった。それで良い、それが良い。
だって、私は彼女の言う通り取り返しのつかない過ちを犯したのだから。
矢野くんを傷付け、そして失った。
当然の報い。
「あれでしょ、那緒ちゃんって……男心わからないタイプ。それってモテないわよ?性格ブス」
「っ…………」
容赦が無い……
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