第四章

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「……ま、この辺にしておきましょうか。もう、十分反省してるみたいだしね」 色っぽい深い吐息を吐き出した麗さんが、全身から力を抜いたようデスクチェアに深く腰をかけ直した。 瞳にいつもの優しさが戻った気がした。 「住む所や仕事は見付かったの?」 「……はい。ここから一駅の場所なんですけど部屋を借りました。町の雰囲気が気に入って!!仕事も……出版社のアシスタント……って、いっても地下倉庫片付けたりするだけの契約社員なんですけど……なんとか、やっていけそうな……」 「……へぇ。凄いじゃない。私はてっきり地元に帰るなんて言い出すかと」 「あ……」 麗さんはするどいな。 私が考えることはお見通しって感じだ。 「駄目よ、那緒ちゃん。私の週一の楽しみが無くなってしまうわ?!」 「それって……どういう意味ですか?」 「だって、那緒ちゃんってわかりやすくていじりがいがあるんだもの~!!」 私……、からかわれてたの……?
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