第四章

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「ああ、ごめん。驚かせちゃった!」 その明るい声に振り向くと、真ん丸とした目をさらに大きく見開いた若い女性。 「ああ……、きいちゃん!おはよ」 「おはようござますっ」 花が咲くようにニパッと笑顔を私に向けたのは、志田きいちゃん。私より三つ下の24歳。 巷で大人気の女性総合誌(palu)を担当する若手編集者さんだという。 前下がりなボブスタイルと、体のラインが綺麗に浮かぶ白のワンピースがなんともまぁ可愛らしい女性。 出社一日目、地下室からの帰り道がわからなくなった私をきいちゃんが助けてくれたのがきっかけで仲良くなることが出来た。 彼女がいなければ、私の心はもうとっくに折れていたかもしれない。 心の恩人なのだ。
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