第四章

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「チーフがイライラしてる原因ってあれなんですよ……男絡み」 そう、ヒソヒソ声で話すきいちゃんは周りに人がいないかを確認して更に私の耳に口元を寄せた。 「三年間同棲していた彼と別れちゃったみたいで……、それからはもうあの調子」 「ええっ……」 「誰彼かまわず当たり散らして……、見ているこっちも気分が悪いったら……。那緒さんも。さっき大丈夫でしたか……?」 「うん、全然」 むしろ、友達になりたいと思ってしまう境遇。 他人とは……思えない。 「そう、言えば……失礼ですけれど那緒さんって……結婚してます?指輪してないですけれども……」 「え?してないよ……?そういう人はいないから……」 「えっ……!?じゃあじゃあ……今日の夜予定空いてたりしませんか!?」 「うん……?空いてるけ……ど……」 そこまで口にして しまった……と、思った。 この流れ、今まで転々とした職場でも何度か経験した流れだ……
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