第四章

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「っだぁ……やっぱりかぁ……」 図書館のように何列にも並んだ棚と棚の隙間、“90年~”と外側に記入された段ボールを床に広げながら溜め息をついた。 『今夜、合コンがあるんですけど……参加予定の友達に彼と仲直りしたから……ってドタキャンされちゃって困ってたんです!チーフの耳に入ったらヤバイんで他の人は誘えないし……、那緒さん……お願いします!!』 『いやっ……、私……ちょっと……』 『ええっ……、そんな事言わないで下さいよっ……!!?あ、相手は……ほら、これ!先月号で特集した“働く男”っていう取材で会った設計事務所の人で……すんごい、とびっきりの奴連れてくから期待して良いって話なんです!!那緒さん!!これを逃す手は無いですよ!!?』 『いや、相手がどうこうじゃ……』 『那緒お姉さま~!お~願~い~!!』 人が変わったように私にすがり付き泣いたきいちゃん。完全に勢いに負けてしまった…… 男性恐怖症の私が合コン……? まさに、矛盾……
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