第五章

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「宮我さんっ、こっちこっち!」 きいちゃんが席からガタンっと立ち上がったと同時に、私は心臓がキュウッと絞られるような感覚に襲われた。 恐る恐る店の入り口の方に目をやれば、スーツ姿の男性三人がキョロキョロと店内を見回していた。 きいちゃんの声に気付いた宮我と呼ばれた男性が、こちらに手を振りながら近付いて来る。 「ごめんごめん、きいちゃん。待たせちゃったかな?」 「んーん。全然だよ。ね?」 きいちゃんが左右に座る私達に目配せをする。 本当は一時間前から待っていたけれど ここは頷くのがセオリーなんだ……と、きいちゃんの友人達を見習って首を縦にコクコクと振った。
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