第三章

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「一ノ瀬~…………あ、悪ぃっ」 背後から聞こえたノック。 間髪入れずに姿を現した宮我は、うっと言い淀んで少しだけ後退した。 返事も聞かずに入って来ておいて ……何を今さら。 「……いいよ、乾かしてるいるところだから」 「へぇ……、土井さんとこの話纏まったんだ?」 宮我が腰を屈めてマジマジと眺めるのは、テーブルの上に置かれたスタディ模型。 建物の外観や間取り、空間と物の収まりを目で見て検討する為に作る……ドールハウスのようなもの。 といっても、それは簡易的。 スレンチボードという型紙を張り合わせただけで色はついていない。
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