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「俺はまぁ……良いとして……小山と関っつうんじゃ華がねぇだろ?向こうにももうとびっきりの奴連れてくるって言っちまったんだよ、頼むよ一ノ瀬くん~」
作業室を後にしてからも、宮我は俺の隣を着いて離れようとはしなかった。
両手を擦り合わせるその様はハエそのもの。
呆れを通り越して失笑だ。
「しつこいんだよ、邪魔」
「なっ……マジかよ。お前まだ働く気?」
デスクへと戻り、鞄から契約書面を取り出した俺に向かって宮我は信じられないといって、情けない声を出した。
「それって今日じゃなくてもいいやつだろ。皆もうとっくに帰ってんだから……」
「……関係ないだろ」
「なぁ……、お前ってさ……家に帰りたくないとかある訳?彼女すっげー怖い系なの?結婚してるっつうんでも無いんだし……んな、無理する必要……」
「っ……黙れ。俺に干渉するな」
頼むから……、構わないでくれ。
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