～Melting Snow～ 第3話

第七章

私は……

彼にもっと幸せでいて欲しかった。

憎たらしい位の笑顔で、羨ましいだろうって自慢されて……

悔しさに地団駄踏む位の幸せを……見せ付けて欲しかった。

いい加減に素直になれ。

アンタは……ちゃんと、柊子を……

愛している。

私にはわかる。

素直じゃない私だから……わかる。

「……ぐ……っ……うぅ……泣くな……」

あの日から……、私は一歩も前には進めていないのだ。