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第六章 #2
幼なじみ
という関係が音をたてて壊れたのは、四年後のクリスマスイブ、私は17歳だった。
母の命日は必ずといって、私に付き添ってくれていた彼が……
私を好きだといったから。
私はそれを拒絶し、酷くなじった。
その時、すでに特別な感情を抱いていたにも関わらず……、心を開く事を恐れ、母と同様にいつか失ってしまうのではないかという不安にかられた。けれど、そんな自身の感情に当時は気付いてはいなかった。
そして、その日……
私は初めてを彼に奪われた。
何をしているのかもわからないままあっけなく。
暴風吹き荒れる深夜、ビジネスホテル。二人とも……、泣いていた事だけは覚えている。
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