第十一章

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「なんか……、那緒さん雰囲気変わりましたね?」 「ええっ……?そう?」 「ハイッ!!前よりずっとハツラツとしていて……、見た目だってお洒落になったし……。ちょっと、痩せたんじゃないですか?」 と、きいちゃんが私の周りをニヤニヤしながら歩いて……突然、背後からウェストをコチョコチョとくすぐった。 「ちょっ……あはっ……やだ、やめてよ!!きいちゃん!?」 「白状しなさ~い~!!新しい男でも出来たんでしょお~??」 「違う、違うっ!!そうじゃないって……!!」 「じゃあ、何だっていうんですか??!」 きいちゃんのジトーっと疑う眼差し。酸欠状態の私はハァハァと息を整えてから、姿勢を正した。 「来月……友達の結婚式があるの。だから、ちょっとはあの頃に体型戻さなきゃなって……!!」 「なるほど……。そこで、ガッチリ男を見繕うつもりですねぇ~?」 「なっ……!?だから、なんでそうなるのよっ!!」 「はいはい。わかりましたって~」 言うだけ言って……、きいちゃんは女子トイレの方へと小走りで去って行く。 年上をからかうだなんて……憎たらしい子っ!! ……なんてね。
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