第十二章

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ベッドの軋みに混ざり、不定期に空を舞う私のだらしの無い喘ぎ。 必死に両手で口を押さえても、ほとんど意味は…… 「ちゃんと、言えるまで……終わんないよ?」 「そんなのっ……ずる、いっ……!」 「……お前のその顔……、逆に煽るだけだから」 「っっ…………!!!」 藤真の悪戯な笑顔は麻薬のように、私を蝕んで離さない。拒絶すればする程……想いは強くなってゆくだけだから。 『俺の事嫌いになって……、もっと憎んで。そうやって……一生俺を想い続けてよ』 いつかの……、彼の声が聞こえた。
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