第十三章

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脳内をフル回転させながら、ふと鎖骨辺りをポリポリ掻いた時…… 「え…………?」 私も服……、着てないじゃん……。 目を凝らして周りをもう一度見回す。 私の下半身を申し訳程度に覆うシーツ、脱ぎ捨てられた洋服や下着、コンビニ袋の中にギュウギュウに詰め込まれたビールの空き缶、封の切られたコンドームの箱。 点と点が……繋がった。 「ぎゃあー!!!!?」 「ん…………」 私の悲鳴に藤真はパチリと目を覚ました。飛び起きるのかと思ったら、 「…………うるせぇよ……」 ガサガサに枯れた声、眉間に刻まれたシワ、チッと舌打ちを残すと、彼はまた静かに目を閉じた。 「っ………………」 し、信じられん。 この状況でまだ寝ますか……? どんだけ図太い神経してんのよ!!!
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