第十三章

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ドアを開けると、そこには帽子を深くかぶり、抱えた荷物の伝票に目を落とす感じの良さそうな青年が立っていた。 こんがりと焼けた肌、ティシャツの上からでもわかるムッチリした筋肉。 宅配ドライバーのイケメンランキング……なんてのが、特集を組まれる昨今。 うん……、頷けますな。 「ああっ……良かった。では、こちらに受け取りの印鑑……を……?」 「っ……」 そんな爽やかな笑顔に、ボーっと見とれていると……彼は小首を傾げて不思議そうに瞬きを繰り返した。 「ど、どうか……しました?」 「あっ!?いえ、いえ……ここですよね?」 自分でもそれを聞きたい。 今日の私……どうかしてる。
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