第十三章

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「やっぱり……、自分が運びます。すみません、失礼します……ヨイショ」 狭い玄関に大人が二人。 荷物を運ぶ彼が、私の横をすれすれに通り、フローリングの床に荷物を置いた。 怖いとか、汗をかいたり、吐き気がしたり……その他諸々……何の症状も起こらない。 「何故……?」 「へ……?」 「ちょっと……、私と握手して貰ってもいいですか……?」 「え……、はぁ……」 宅配便の青年が手を出すよりも先に。強引にその武骨な手を取って握り締めた。 ブンブンと上下に振っても、左右にブランブラン揺らしても……平気。 「あああ……!!?私……治った!!?治ったんだぁ!!!!」
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