第十三章

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「ご苦労様ですー。」 終始満面の笑みで手を振る私を、青年は不気味だといわんばかりに時折振り返っては、形ばかりの軽い会釈をし、階下へと姿を消して行った。 見えなくなった瞬間、階段に響くその足音が駆け足に変わる。 やり過ぎだったかな……、でも嬉しかったんだもん。 「っ…………」 クスっと笑みを溢して、振り返り部屋に戻ると…… 「何がなおったって……?」 「ちょっと……!何、冷蔵庫勝手に漁ってんのよっ……!!」 冷蔵庫前にしゃがみこんだ藤真が、中からペットボトルの水を取り出し、パタンっとその扉を閉めている所だった。 私の声なんか聞こえていないみたいにゴク、ゴク、ゴク……と、喉仏を小さく揺らす彼に言いたい。 人の話を聞けよ……と。
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