第十三章

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ペットボトルの飲み口部分を唇につけたまま、藤真は私の後ろにある荷物に視線を向け、その後、私の全身を睨むような目付きで見上げた。 「……まさか、その格好で出た?」 「え……うん。ごめん、慌てて……借りた」 キュッと強めにキャップを閉めた彼が吐き出す、盛大な溜め息。 何……?ちょっと、借りただけじゃん…… 「もうちょっと危機感持てば?お前、女だろ……一応」 “一応”の部分を強調した藤真が、右手に持ったペットボトルで私の太ももをパシッと叩いた。 「っ…………」 痛くはないけど、冷たかった。 それに、藤真が私を女扱いするのも……なんだか変な感じがした。 私……、藤真と…… しちゃったんだよね……? 「何だよ」 「…………別に」 いたって普通な彼に、頬の赤みがバレるのが嫌でそっぽを向く。 窓の外では、近所の小学校の始業を告げるチャイムが流れていた。
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