第十一章 #2

1/9
270人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ

第十一章 #2

翌朝、土曜日。 私の睡眠を妨げたのは…… ベッドに横たわる、私の頭側。 一枚の壁を隔てた向こう側から聞こえる、ガタンゴトンうるさい物音と、数人の話し声だった。 「……引越し……?寝かせてよねっ……」 私の部屋の左隣、301号室は私がここに引越して来てから半年間もの間空いていた。 角部屋って人気あるんじゃないのかな……と、よく不思議に思ったものだ。 隣人が節度のある常識人である事を願い……、私は再び気持ちの良い眠りに落ちた。 出来ることなら……、二度と目は覚ましたくなかった。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!