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人、一人分程度にしか幅の無いベランダに出て、鉄柵に寄りかかり星の見えない空を見上げる。
右手にはもちろん缶ビール。それを一口グビッと飲んで、重たい息を吐き出すと……少しだけ心が安らいだ気がした。
さっきまでは自分が自分じゃないというか……、生きた心地がしなかった。
もう、今日は何をやっても駄目な日……。
散らかり放題のキッチンも明日片付けるとしよう。
「はぁっ…………」
両手を枕にして、ゆっくりと目を閉じる。
そうしてみても、やっぱり浮かぶのは……
「すいません。煙たいんですけど」
そうそう。こんな声の生意気男……
「って……、え……?」
今、どこから声が……?
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