第十五章

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わざわざ聞き耳をたてているのは自分だというのに、考えれば考える程また怒りがこみ上げる。 「っ…………!?」 無意識に握り締めた牛乳パック。 白の液体がブチャアっと注ぎ口から溢れ、みるみるシンクの上に広がってゆく。 慌てて布巾でそれを拭き取っていると、今度はフラインパンからモクモクと黒い煙が立ち上がり……、 その横では地獄の釜湯と化した鍋の中で、パスタがくたくたに伸びている。 「…………嘘でしょ……」 まさに、踏んだり蹴ったりだ……
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