第十四章

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「いやいや、何から何までワガママ言っちゃって……すんませんでしたねぇ。娘もね、完成した店を見るなり、お父ちゃん!!なんで、早くこうしなかったの!?……なーんて、言い出しまして……ハハハッ!!!この度は本当に……どうも、ありがとうございました」 「土井さんっ!?頭を上げて下さいよ……。私達はそう言って頂けるだけで……なぁ、一之瀬くん」 「ハイ。それに、店が完成したからといってこれで終わりではありません。年月を経て不都合やトラブル等がありましたら、すぐにご連絡下さい。もちろん、定期的なメンテナンスも。今後とも……、末永いお付き合いを」 入社当時は、業務的に感じていたこの台詞も……今では心からそう思えるようになった。 それは多分…… 「いやはや……、所長。一之瀬さんは実に優秀な青年ですな。仕事も出来て、なによりも誠実だ。ウチの娘に紹介してやりたい位だよ!どうだろう?」 「ハッハッハ!!それは、困るよ土井さん!!私の息子同然の部下に酒屋を継げって言うのかい!?」 この、所長に 影響されているんだろうな。
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