第十四章

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デスクに座り、コンビニ袋から缶コーヒーとおにぎりを取り出して、空席の目立つフロア全体に目を向けていると…… 「モテる男は辛いよな~。その気持ち、わかるよ~ん?あちちっ……!」 カップラーメン片手に、相変わらず騒がしい宮我がちょうど席に戻って来た。 「菅ちゃんもさ、一之瀬がフリーだって知った途端、コロ~っと手のひら返してあのザマだよ……。前は、応援してますぅ~なんて、言ってたくせに……本当、女ってわかんねぇーよ」 「…………あれ、いつもの弁当は……?」 「っ……聞かなくても見ればわかるだろうが!!!くっそ~…………女なんて、女なんて……大好きだよ、チクショウ!!」 つい、数日前までは…… 彼女が作った弁当だとか言って、見せびらかしていたくせに。 どうやら、その関係は幕を閉じたらしい。 始まるのも早ければ、終わるのも早い…… 宮我らしいっちゃあ、らしいけど……。
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