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なんか、本当に今さらだけど
変な感じ。
藤真と…何をするでも無くこうして二人でいる事が。
嬉しい一方でソワソワして落ちつかないというか。
彼とは一筋縄ではいかない過去の歴史が沢山あって……
そのせいかな?
私が平和に慣れていないのは。
「何、見てんの」
ネクタイをシュルリとほどき、薄いブルーのワイシャツ、首元のボタンを一つ二つと外してゆく藤真がジロリ細い目で私を見た。
「変だなって思ってたの。小さい頃から一緒にいた藤真と大人になった今でもこうしてるんだよ?なんか、おかしくって……」
「おかしくなんかない。俺からしたらこれが普通。離れてた今までの方が……って、何言わせんだよ」
「寂しかった……?」
「別に。いなきゃいないで」
「それこそどっちなのよ……!!」
キィッと声を荒げて振り上げた左手。
子指の先が離れた瞬間に、藤真の手がそれを押さえつけるようにして重ねられた。
今度は指先だけじゃなく……、手の甲全体包み込まれている。
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