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「信じらんないっ……!!わかってたなら言ってよ……!?」
「教えてたら……もう少し大人しく出来た訳?」
「それは……」
壁に背を預けて座る藤真が、私の首筋にソッと手を這わせて引き寄せる。
まだ少しだけ上気する彼の胸板、逆立っていた心が穏やかになるのを感じた。
「……もう、眠たい……」
「俺も……」
「ねぇ、私の部屋で一緒に寝よ?」
ここは寝袋しかないし、倉庫みたいに窮屈だし。
それにまだ……、離れたくない。
「何それ……、甘えてんの?」
「……そ。甘えてるの」
さっきまでの俺様っぷりが嘘みたいに……、目をトロンッとさせた藤真がフッと息を漏らして笑う。
その綺麗な横顔に
好きが……また、一つ積もってゆく。
今度は絶対に。……忘れないよ。
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